「借りぐらしのアリエッティ」見てきました
2010年8月19日

※先月公開予定の記事でしたが、様々な意見を聞いてから公開しようと思いました。
ずっと前から心待ちにしていた「借りぐらしのアリエッティ」を早速見てきました。
感動もドキドキもなく、ずっとポーカーフェースを維持したまま見ることができちゃった。しかも展開がトントン拍子で、すぐ次の行動が読めてしまう。
ジブリ映画の中で、初めて「金返せ!」と思った作品でした。
ゲド戦記もひどかったけど、それは音楽と作画で救われたからまだ良い方だと思う。
プロデューサー / 鈴木敏夫、監督 / 米林宏昌、作画監督 / 賀川 愛、(以下略)…
そうか!今回、宮崎氏は関与してないんだ。ようやく次世代に移行する気になってきたのかな?にしてもちょっとクォリティが低かったと思う。学生映画コンテストだったらトップ3以内にランクインで納得かも?
学生映画クォリティ
プロの作品に、「これ学生が作ったんだろう」と言うのは本当に失礼な事なんだけど、「借りぐらし」についてはそう言わざるを得ない。
学生の作品は、見た目は非常によかったりするんだけど、首をかしげるようなストーリーだったり、詳細が欠けていたり、音楽がテキトーだったりするんだよね。つまり、抜けがあるという事だ。
ジブリお約束の作画・世界観はすごかった。小人たちの環境がしっかり整っており、観客に分かりやすいようにビジュアルで説明を進めていく。
一方、病気の少年・翔については、説明がなさすぎる。彼が病気で療養のために、一週間だけこの屋敷にやって来たということ以外は、何も知らされていない。
点滴が必要なのか?手術が迫ってきていて、精神的にキテいるのか?彼が住んでいるところは屋敷から相当離れているのか?考え始めたら止まらないほど、疑問でいっぱいだ。
今までのジブリ作品を思い返してみよう。最初ツッコミどころが満載だった設定だったが、ストーリーが展開するにつれて明かされたものも多かったのではないか?
例えば、ナウシカに出てくるオーム。何でダンゴムシみたいのがオームなんだ?何であんなに巨大なんだ?…と、いろいろ疑問があったけどストーリーがすごすぎて、最終的には納得したんじゃないか?
トントン拍子に展開するストーリー
こんな鑑賞をしているのは自分だけかもしれん。今のシーンをじっくり噛み砕きながら、次のシーンをなんとな〜く予想しながら見るのだ。
4コマ漫画には「起承転結」というルールがあり、必ず3コマ目で読者の予想を裏切るようにできている。そして4コマ目は、読者が「それは考えなかった!」と感服するような印象で決まるのだ。
その3コマ目が予想通りに進んでしまったらどう思う?
つまんなく、なるだろうね。
まず、トラブルが少なすぎる。成功体験が多すぎる。観客がハラハラするようなシーンが無かった。
いや、訂正しよう。無かったわけじゃないな。トラブルはあった。翔が外から鍵をかけられて出られなくなった時とか、アリエッティの母親が拉致された時とか。その2つがメジャーなハプニングだったのだが、「お決まりの」展開で、うまく片付けられてしまったような印象をうけた。
小人と人間の視点の差別化
小人が登場する作品でありがちなのが、小人から見た人間と、人間から見た小人がほぼ同じ印象だということ。実際、小人から見る人間はビルのように巨大で、そばにいるだけで震え上がるのが普通のリアクションのはずなのだ。
本作品では、この視点の差別化はよくできていたと思う。翔から見る小人はちっちゃくて可愛くて、なんだか助けてあげたくなってしまう。アリエッティから見た翔は、とてつもなく大きく、声もすごいベースが効いていて、最初はとても恐かった。
オチがないエンディング
本作品の原作が、シリーズものの第一部だという事を、映画を見てから数日後に知った。あぁ、それならこのエンディングは仕方がないね。
…と、言いたいところだが
これまで、本作品以外にも冒険の始まりでストーリーが終わるという映画は何本もあった。それらに関しては、「もっと見たい」と思ったと同時に、割とあっさりしていたのではないか?
制作者としては、きっと「続きが見たい人は、原作を読んでくれるだろう」と思うところだろうが、それはただの逃げにしかならない。例えばハリー・ポッターは原作から派生した映画だが、映画版は映画版で完結しており「続きは原作を読んでね!」というメッセージは流していない。読みたい人は読むし、読まない人は読まないのだ。制作者は、観客をあてにすべからず。
アリエッティ公開の2週間前に、トイ・ストーリー3を観に行ってしまったのが、痛かったな…
1000円ぐらいだったら、また観に行ってもいいかもね。
on 8月 19th, 2010 at 9:03 PM
何か、わかります。
その、何か、をうまく言葉に表してくれているような日記だったのでついコメントさせてもらいました。
明確に同じ気持ちかどうかは確かめられないけれど、
私は何か映画やテレビを見た時、そのストーリーの中に、
心を揺さぶられるような価値観や自分の中での新しい考え方、嬉しい裏切りがそこに存在しないと、刺激を感じないような、虚しい気持ちになります。
ナウシカって音楽やビジュアルを越えちゃうような、
何か説得力がある映画だった気がする。
ハッピーエンドであっても、
想像だにしない形でのハッピーエンドが好きです。
こないだNHKかな?で、アリエッティの監督、米林宏昌さんのこの映画への葛藤と成長みたいな番組をやっていて、次世代を育てるためなのかどうなのか分からないけれど近くで一緒に仕事しながら、この映画制作に関与しない努力をを必死でしてたみたいです。
でも、まだ借り暮らしのアリエッティは見ようと思っていて、見ていない映画なので、見て自分がどう感じるか確かめて来ようかなと思います!!
おもしろい日記をありがとう!
ためになりました。